「なんだいその顔? クソでも溜め込んでるの?」

 普段は全く困ることもなしに読んでみせるリヴァイの表情を、今この瞬間は飄々と訊ねてくるハンジがリヴァイは心底腹立たしい。

 彼女が首を傾げて答えを促す仕草をすると、眼鏡のレンズが光を受けてその眼を隠した。

 リヴァイはそれに舌打ちと、「クソメガネ」の罵倒で返事をする。


 溜め込んでるのはクソではなく鬱憤だ。そして肉体的な欲望。

 蓋をしているのは目前の対象、ハンジ・ゾエである。