古城でいちゃいちゃする話
幼馴染とのお茶会前にむつみあう二人の話
古城でいちゃいちゃする話
幼馴染とのお茶会前にむつみあう二人の話
旧・調査兵団本部。
その歴史と外観から『古城』と呼ばれる建造物の、昼前の陽光が降りそそぐとある一室で、リヴァイとハンジは机を挟んで向かい合っていた。
「班員には勘付かれてなさそう?」
「ああ。何かあると思っちゃいるんだろうが、怪しい動きをしてる奴はいねえな」
「そうか……なんにしろ、全員生きて帰ってくることを願うばかりだね」
現在、調査兵団本部を離れてエレンの護衛を務めているリヴァイのために、ハンジが本部と彼の班との連絡役を担っている。今日は二日後に控えた壁外調査と、そこで行われる作戦──表向きの作戦下で遂行される予定の『女型捕獲作戦』──の最終確認だった。
兵団の同士を疑い、壁の内側でも神経を尖らせながら戦いの準備を整えなければならない現状に、顔には出さずとも古参の兵たちはみな精神をすり減らしている。
リヴァイとハンジも、もちろんそのうちの一人だ。『五年以上前に入団した兵士』という点で裏切り者の条件から外れる人間、ましてや恋人同士の二人は、互いにそうとは言わないながらも今こそが気を緩ませられる瞬間だった。
「リヴァイ、疲れてないかい?」
印をつけた地図と作戦次第とを見比べていたハンジは、沈黙が降りた時そう呟いた。リヴァイも、目を合わせることはしないが同じ調子で返す。
「馬鹿言え。俺はガキどものお守だけだが、お前は巨人研究の中枢にいる。よっぽど気ぃ張ってんだろうが」
「余計な心配してんじゃねえ」と続けたリヴァイに、それまで無に等しかったハンジの表情は一変して笑顔になる。素っ気なくはあるが、彼の言葉のどこかしらから柔さが滲み出ている。ハンジにはそれが傷を負った際の痛みの深さに比例するようで心配でもあるのだが、今は素直に嬉しかった。
「そういえば、今日はエレンは?」
「第三会議室で長距離索敵陣形のお勉強だ。アイツ訓練兵の頃はそれなりの成績だったと聞いたが……ちっとも覚えやしねえぞ」
「訓練兵団では詳しく教えない内容だし、めまぐるしい状況の中での初陣だしね。でもエレンは状況判断などに頭が回るほうだと思うよ。あなたと一緒でさ」
ふん、とリヴァイが横を向いた。
直截な褒め言葉が面映いのか、彼はいつもこうやって目をそらしてしまう。それすらもわかっているハンジは隠れて頬を緩ませた。
ふ、と空気が甘くなる。
「……ハンジ」
「ん?」
目だけをこちらにやったリヴァイが、くい、と促すように顔を動かした。「こっちに来い」の合図だ。机を回ってリヴァイのそばに来たハンジは、リヴァイの望むものを察しつつもとぼけた顔で尋ねる。
「なんだい? どうかした?」
「チッ……わかってんだろうが」
胸の前で組まれていた腕が素早く解かれ、ハンジの腰を囲んで引き寄せた。倒れるようにリヴァイの胸に飛び込んだにもかかわらず、受け止めた身体はピクリともしない。
「……私、変な顔してたかい?」
「ああ、してたな。ベッドの中以外じゃよくよくしねえ顔だ」
こういう時はそれこそ直截なリヴァイに呆れるハンジだが、「どっちがだよ」と指摘すると途端に拗ねてしまうから厄介だ。肉体が飢えを示していようと、彼は自分から素直にそうだとは言わない。ハンジに対してはよりその我慢が強い気がするから尚更だ。
こういうときの扱いを十分に理解しているハンジは、互いの胸のあいだから引き抜いた手でリヴァイの唇を撫でた。
「久しぶりだからかなぁ。ごめんね」
「ほぼ毎日会ってるじゃねえか」
「でも二人きりには、ね」
甘えるように首に手を回して鼻を擦り付けると、リヴァイが我慢ならないと言うように眼鏡に手を伸ばした。
「あーっ待って! 痛いから自分でするよ」
「クソ、早くしろ」
ハンジは少し迷って眼鏡と、眼鏡の鉉同士を繋ぐバンドも頭から抜き去る。その手が机にたどり着く前に、唇がリヴァイに占領された。
「むぅ、ん」
当たり前のように侵入を果たしたハンジの口内で、リヴァイの舌が我が物顔で暴れ始める。口の中の性感帯を刺激するようにあちこちを舐めまわし、驚いて少し顔を引いたハンジに指を使って舌を出すように要求までしてくる。
「んぁっ……」
挟み出したピンクの肉厚を同じものでねろねろとなぶり、視線を合わせたまま口外でそれを絡める。かと思えばまた唇をピッタリと合わせて、繋がった洞の中で唾液をともに混ぜるのに興じだす。普段から気配どころか息も潜めているかのような男の荒んだ呼吸を呑んでいるのかと思うと、ハンジの背筋はそれだけでぞくぞくと震えた。
ちゅく、ちゅぷ、と小さく上がる音に煽られたのか、リヴァイがとうとうハンジを机に押し倒した。
「リヴァイ、ダメだよ……書類が……」
「脱がすだけだ。大人しくしてろ」
宣言どおり、上半身はベルトを外さずに胸だけ露出させ、その手は下衣にかかる。
慣れた様子で下を弄りながら、ちゅ、ちゅ、と胸の頂きに吸い付かれ、ハンジは思わずリヴァイの頭を叩いた。
「も、脱がすだけだって言ったろ!」
「ココが寂しそうに震えてるから構ってやってるだけだ」
普段のハンジなら「何言ってんの?」と真顔で笑い飛ばしてただろうが、あいにく脳がとろけ始めていた。第一、こういうのは冷静になって相手を傷つけてしまったほうが負けなのだ。
過去にやらかしたことのあるハンジは、部屋に鍵がかかっていることを思い出し、観念して快楽に飛び込むことにした。
ハンジがスイッチを切り替える一瞬の間にも、不埒な愛撫のせいですっかりと肥えた胸を不埒な舌は容赦なく這い回った。両脇からぎゅ、と寄せた膨らみをわざわざハンジに見せつけ、リヴァイが言う。
「見えるか? ハンジ……真っ赤に勃ち上がって、吸ってくれ、ってうるせえんだよ」
「ばっ、あ!」
だから、と言わんばかりに口を開けて、ハンジが何か言う前にリヴァイは主張の激しい二つの粒を飲み込んでしまう。
結局脱がすだけにはならなかった。
背中の下に広がる地図や書類の原型を保とうとなるべく身体を動かさない努力をするも、リヴァイの手と舌は容赦なくハンジを追いつめてくる。右のしこりを散々しゃぶられた挙句に甘噛みされた瞬間、ハンジは少しだけ眼裏を白くした。
「っ……」
「……今日は声、出さねえのか」
いつもはうるせえくせに、と付け足したところで、それが「声を聞きたい」という願いなのだとわかるほどには抱き合っている。リヴァイだって、達したばかりで騒つくハンジの肌にどう触れれば女の体は辛くないのか、その指はちゃんと知っている。
見張りの兵も全員エレンにつけたし、大丈夫なはず、とぼんやり思いながら、ハンジは蠱惑的な笑みを浮かべた。
「あっついキス、してくれたら……聞かせてあげるよ」
リヴァイが動きを止める。そして、また目を逸らす。
「してくれない?」
「……イヤってほどしてやる」
言うや否や、リヴァイは机に寝そべるハンジの前に跪き、快楽に震える脚を押し開いた。そしてズボンの上からとっくに湿っているはずの合間に鼻先をねじ込んだ。
「!? リヴァっ……!」
「ああ、クソ……いやらしい匂いさせやがって……」
厚い生地でも隠すことのできないふっくらとした女の谷間に、足の付け根に、敏感な頂点に、啄むようなキスを繰り返す。
「やだっ! やだ、リヴァイ、そこじゃな……それいやっ……!」
一度登りつめたハンジの肌は、そのもどかしさに気も狂わんばかりに再び熱を上げた。泣き声まじりの懇願を無視し、悶える身体を腕だけで抑えつけ、リヴァイが尖りきっているであろうそこにくっ、と甘く歯を立てる。
「ん、あっ……っーー!」
むっちりと筋をまとった両脚が震え、リヴァイを捉えようと切なくもがく。手のひらで宥めるように腿の裏を撫で下ろすと、ハンジはそれですら小さく極めてしまった。
「……満足したか?」
「ばーか……」
日の下に乱れた身体を晒しながらも、ハンジの瞳は涙をまとってリヴァイを睨みつける。女の性はどうしようもなくリヴァイに向かって開かれているというのに、射抜く視線は食われそうなほど強い。
リヴァイの雄が、ドクリ、と熱くなった。
「ね、リヴァイ……私もしたい……」
「……また今度だ」
バックルの擦れる音とともにリヴァイは己の欲への制約を取り去った。ビクビクと震える男根を見たハンジが、そっと起き上がる。
「これ以上は机じゃダメだからね」
「わかってる……来い」
手近の椅子に足を開いて腰掛けたリヴァイは、ハンジに見せつけるようにペニスを扱く。ハンジはハンジで、中途半端に脱がされていたジャケットから腕を抜くと机の端にかかっていた眼鏡とともに避難させ、己の下半身を裸に剥き始めた。よどみなくベルトを外し、ブーツもズボンも咎められるのを承知で乱雑に落とすと、リヴァイの肩に片手を置いて下着をそっと下ろしていく。
唇を味わおうとリヴァイが近付けた顔を、ハンジがからかうように避けた。してやったり、と笑う間もなく腰が捉えられ、腕の中で反転させられる。
「わっ、あ! え? この体勢でするの……?」
「奥いっぱい突いてやる。おら、尻落とせ」
そういうこと言ってんじゃない、と反論のために開けられた口は、ズブリと侵入してきたリヴァイによって嬌声を発することとなった。
「んーーっ! いきな、り!」
「っ……いきなりが、好きだろうが」
リヴァイに体のあちこちをほんの少し弄られただけで、ハンジの脚のあいだはすっかりと濡れていた。そもそも、多少強引に割り込まれたところで不快な痛みも感じない程度には慣れている。どころか、リヴァイの言うとおり『いきなり』で、ついでに言うと『無理やり』が、(もちろんリヴァイにされる前提だが)ハンジの体はお気に入りのようなのだ。
自分の体だと言うのに、ハンジはリヴァイと関係するまでそんなことは知りもしなかった。
おまけに、
「は……オイ、咥えこんでるのが後ろから丸見えだぞ」
「……そういうこと……言うなってばぁ……」
「あ? 嫌か? そりゃ変だな。お前の"ここ"は嬉しそうにしゃぶりついてくるが」
低い声で耳に吹き込まれる直接的ないやらしい言葉にも体は歓喜の声をあげてしまうのだから、これはもう筋金入りだ。
「お前、筋金入りの淫乱だな」
「あなたの前でだけね!?」
「当たり前だ。俺だからこうなるんだろうが」
ああ、ちゃんとわかってくれている。その事実だけでハンジはまた背筋を震わせた。
「ぁ、あっ……」
「くそ、最初っからきゅうきゅう締めやがって……おいハンジ、挿れただけでへばるのか?」
「ぃやだ……まだァっ……」
「だったらほら、好きに動け」
腰に添えられた両手と腿に置いた手を支えに、ハンジは体を揺らし始めた。中腰で動かなければいけない体位だったが、少しの不自由さも脳内ピンク一色の状態では興奮する材料にしかならない。
「ハンジ、お前は頭も口もよく回るだろう? 俺のチンコはお前の中でどうなってんだ?」
「あ、あっ、熱くて、固く、って……でっぱりがなか引っ掻く、の、キモチいっ……!」
「奥は?」
「奥もあたる、当たってる、押し上げてくる……っ」
「そうか。"こう"するのはどうだ?」
添えられているだけだったリヴァイの手が力を強くし、ハンジの腰を足の間に抑えつけた。そして潜り込ませた肉棒でぐりぐりと奥を捏ねる動きをする。
「あ”っ、ぁぁあ、あっ、やっ」
「好きだろう、これが」
「うん、好き、好き……!」
甲高く響く己の声など、行為後の冷えた頭で思い返すと鳥肌ものなのだが、リヴァイはそれでも大層興奮するらしい。ハンジの項に熱い吐息を吹きかけながら片手で胸の先を、もう片方の手でハンジの下生えを掻き分けて辿り着いた肉の芽を、律動に合わせて強めに擦り始めた。
「ぇあ、それだめ、だめだよりばいっ」
「だめ、じゃねえだろ、中は悦んでる……っ」
「も、ばかっ んんんっ」
膝にかかったままの下着のせいで脚が開けず、リヴァイの上で腰をくねらせるしかできないハンジの身の内では、あと一歩で解放されない欲望が弾ける直前の実のようにパンパンに膨らんでいく。深く深く銜え込んだ時に当たるジッパーの金具の痛みもより動きを加速させるための刺激にしかならない。そしてハンジの中はそんな快感の度合いを恥ずかしいほどあからさまにリヴァイに伝えていた。
「あ”っ……くそ、おい、立つぞ」
「え? うぁあっ!」
宣言が届かぬことなど百も承知のようで、リヴァイは急に椅子から腰をあげた。よろめいたハンジの腹に手を回し机の方へと誘導する。そしてハンジが天板に両手をついたのを確認するやいなや激しく腰を打ち付け始めた。
「あ”あ”あ”あぁっいや、ん”っ りば……ぃ”っ」
中で刺激される部分が変わり、しかもそこがリヴァイによって開発されたイイところだったものだからハンジは苦しげに身悶えるしかない。目の前がチカチカと明滅する。何度か軽くイッた感覚もあったが、確かにはわからないほどハンジは頂に押し上げられ続けた。
リヴァイも完全に箍が外れていた。シャツの下でうねるハンジの背筋の艶かしさ、濡れまくったペニスにずこずこと突かれて開ききった下の口、下腹を叩き付けるたびに揺れる白い尻、なにより、中。
熱くてドロドロでキツくて、ダメダメ言ってもリヴァイが本気を出すまでしゃぶるのをやめず、最終的に精を出しきるまで絞るのをやめてくれない、凶悪なそれ。頻繁に抱き合えないせいなのか、「これが今までで最高のセックスなんじゃないか」と交わるたびに本気で考える始末だ。
惚れた女と奥の奥でまで悦びを分け合える幸福を、リヴァイはハンジに出会って初めて知った。
「あーーっ! りばいだめっイッちゃう、イクいく、イクからっ イきたいっ……」
「ぁ、あ”……はっ、ん、イけ、いいぞイッて」
熱い部分に意識を集中させていたせいで半開きだった口からだらしない声が漏れたが、いい、ハンジしか聞いていない、とリヴァイは開き直る。ハンジ以外、ハンジを果てさせる以外のことを削ぎ落しながら、リヴァイは抽挿を速めていく。
ばちゅんっ、と変な音がひときわ大きく響いた瞬間、ハンジが声も失くして絶頂に上り詰めた。
「っ”……」
「んッ……ぐ、ぅ!」
我慢するつもりだったが、駄目だった。
あなたも一緒だよ、とでも縋るかのように、ハンジは快感の爆発にリヴァイをしっかりと巻き込んだ。熱い肉できゅんきゅんと愛しげに扱かれたリヴァイはあっさりと陥落し、ハンジの背に額をこすりつけながら精を吐き出していた。興奮の度合いを恥ずかしいほどに示して大量に注ぎ込まれるそれを、ハンジの中はやはり残らず飲み干そうとしていやらしく動くものだから、過ぎた愉悦にリヴァイの膝はガクガクと笑ってしまう。抱き込む腕に加減ができず、その強さにハンジの方が先に目を覚ました。
「ぁ……りばい、なかで……」
「……悪い……」
震える体とぬめる体液を気恥ずかしく思いながら、二人は顔を見合わせる。
そしてとりあえず、キスをしたのだった。
**
「なんかこう……ここまできっちり綺麗にされると恥ずかしいを通り越して……」
「あ? なんだ」
「いや。なんでもない」
十数分前までリヴァイとハンジが愛(に伴う諸々)を交換していた部屋は、調査兵団掃除長のもと、作戦会議をしていた頃の姿に戻っていた。リヴァイとハンジの二人も『見た目』はきちんと整えられた状態だ。中身の方は未だ熱の残滓にふわふわと巻き上げられているのだが。
ハンジはくすぶるものを散らすようにほっ、と溜め息をつくと、リヴァイを椅子に座らせた。
「どうした」
「少し眠りなよ。自覚ないかもだけど、やっぱり疲れた顔をしてる」
「そりゃお前があんなに……」
「私とする前から!」
顔を赤くしながらもハンジは続ける。
「エレンのことは私が見て来るから、ちょっと休憩。夕刻には本部に移動だし、ゆっくり休む機会ももうないだろうから」
椅子に押し付けられた背を浮かしながら「だったらお前も」とリヴァイが回しかけた腕を、ハンジはやんわりと制止した。苦笑いをして曰く、休憩じゃすまないだろう、と。
目元の……おそらく隈が濃く浮き上がっているだろうあたりに口づけを受けながら、リヴァイはハンジのその冷静さが少し憎らしかった。過酷が予想される壁外調査の前になると、二人はこうして激しく求め合ってしまう。それは決して「明日死ぬかもしれない」という刹那的な気持ちから来るものではない。けれど。
汗も匂いも熱も感触も何もかもを、これ以上ないと言うほど交わしながら、すぐさま切り替えて立ち去っていくのはいつもハンジのほうだ。リヴァイの前で見せる情熱だって、明日の開門のときにはきっと『未知に遭遇できる興奮』となっているのだろう。
面白くない。
「……」
「拗ねるなよ。可愛い人だなあ」
ハンジは何もかも見通したように笑った。澄ました顔の表面一枚を剥げば、ハンジの『女』の部分だってまだ「リヴァイが欲しい」と訴えている。自身でよくわかっていた。
でも駄目だ。際限がないのだ、これは。
付き合いの短い人間にはわからないかもしれないが、リヴァイの顔には疲労が滲み出ていた。リヴァイ自身がそれを察せられないのなら、わかる人間が指摘するしかない。
リヴァイとハンジは、そうやってお互いの行き過ぎを止めてきた。
「そうだなぁ……じゃあ、ちょっと休んだら紅茶を淹れてよ。飲みながら続きをしよう?」
「……ナニの?」
「作戦会議の!」
結局十分ほどグダグダした後、ハンジはエレンの元へと赴き、リヴァイも仮眠をとりはじめた。が、聞こえてきた喧噪に呼ばれ何食わぬ顔で訪れた騒ぎの中心で、ハンジ以外の人間にも自慢の紅茶を振る舞う事になった。
これから始まる、調査兵団史上もっとも過酷な数ヶ月間。
その直前の、幸福な日のことであった。
〈了〉
(初出 18/06/28)